『満洲俳句 須臾の光芒』が第36回俳人協会評論賞を受賞

西田もとつぐ著『満洲俳句 須臾の光芒』が、今年度(令和3年度)の俳人協会評論賞を受賞しました。

本書は、満洲国の終焉とともに消滅した「満洲俳句」を、残された史料を読み解き、
明らかにしようと試みた論集です。

西田さんが満洲俳句の研究に取り組みはじめた1980年頃、
満洲俳句に関する史料は断片的にしかなく、
満洲を語ることも忌避されがちだったそうです。
そのような中、西田さんは長年粘りつよく、真摯に研究を続けてこられました。

 

 

 

 

 

 

 

また本書には、当時発表された俳句作品も数多く紹介されています。一部抽出します。

放射路の末は消えつゝたゞ夏野   桂樟蹊子
スンガリー白き夕の鴨を撃つ    野島一良
現代の青年読むべからざる書を曝す 竹崎志水
大枯野四方に配電盤しづか     佐藤青水草
四迷忌やわが青春の露語辞典    合志 洋
春聯の重き大扉を押して入る    桂美津女

表紙の絵は、著者とともに俳句史研究会(「京大俳句を読む会」)をたちあげられた俳人の梶谷予人さん。

この本が緒となり、今後の満洲俳句研究がさらに進展してほしいと思います。